120円のカフェラテ

休憩スペースでため息をつく･･

（はぁ･･･なかなか上手くいかないなぁ）

（甘いものでも飲もう）

自販機の前でお金をいれようとしたら

（ん？）

右横にふと影が差す

『部長！？？』

『お疲れさん』

『お疲れ様です、あれ？部長打ち合わせの後直帰の予定じゃなかったですか？』

『あぁ、その予定だったけどお前が残業してるんじゃないかと思ってな』

『部長･･』

『それに･･お前の顔も見たかったし』

そう言って頭をぽんっとしてくれる

『ぶ、部長！！』

（だ、誰かいたらどうしよう･･）

『大丈夫、誰もいないさ』

辺りを見渡したけど他の社員はいなかった

『カフェラテだろ？』

そう言って120円を入れてくれた

『いいんですか？』

『あぁ、これでお前の笑顔が見れるなら』

『ふふっ、私はもう笑顔ですよ？部長の顔を見れましたから』

そう言って部長を見上げれば

『そんな可愛いこと言いながら見るな、ヤバいだろ』

『･･･っ、か、可愛い？』

『ん？お前はいつだって可愛い』

『ぶ、部長もかっこいいですよ』

『それ以上見つめるな･･我慢がきかなくなる』

『が、我慢って･･･もうっ！！』

『ハハッ、ほらカフェラテ飲んで頑張れ』

『はい･･･ん、美味しいです』

『よし、仕事するか』

『はいっ』

部長が奢ってくれたカフェラテは

いつも以上に美味しくて

いつも以上に甘くて

部長の存在が

私の心を癒してくれる

いつもの120円のカフェラテだけど

今日はいつも以上のパワーで仕事が進むだろうな･･･

なんて笑みを浮かべながら部長の後を歩いてオフィスに戻った