★大切な場所②*+☆+*――特別捜査密着24時 阿賀佐大介(モンステマスター)



仕事終わりに立ち寄るここに来ると癒される・・

この扉を開ければいつも笑顔のあの人に会える

とても大切な場所

この気持ちが恋って事に気付くのはもう少し・・かも知れない
 
 

仕事が忙しくなかなか寄る事の出来なかったモンステへ足を運ぶ

久しぶりに阿賀佐さんに会えると思うと嬉しくて
 
いつものように扉をあけるけど

阿賀佐さんの声が聞こえない

(あれ?)

カウンターに視線を向ければ・・

綺麗な女性と楽しそうに話をしている阿賀佐さん

その光景を見ただけで私の胸がちくんと痛んだ

(なんだろう・・この感じ・・)

カウンターに座ると、やっと私の存在に気付いてくれた

『あ、陽菜ちゃんいらっしゃい』

『こんばんは』

『久しぶりだね~忙しかったの?』

『・・そうですね』

『どうしたの?元気ないみたいだけど・・大丈夫?』

『だいじょうぶ・・・ですよ』

『そう?今日は何にする?』

『オムライスで』

『大盛り?特盛?』
 
『今日は普通でいいです』

『え?陽菜ちゃんどうしちゃったの?』

大げさに驚く阿賀佐さんと

その会話を聞きながら笑っている女の人

『も、もう!!私だって食欲がない日だってありますよ?』

『そっかー、ごめんごめん。ちょっと待っててね』

『はい・・』

(あー・・もう恥ずかしいなぁ・・)

阿賀佐さんが作ってくれたオムライスは今日も美味しかった

だけど・・

『え~そうなの?』

『阿賀佐さん、やだー。ほんと面白いんだから』

綺麗な女性の人と話をしている阿賀佐さんを見てるだけで

私の胸は何故かはりさけそうになって

食事もあまり喉を通らくなっていた

『阿賀佐さん、ご馳走様でした』

『あれ~もう帰っちゃうの?』

『はい。・・・あの、全部食べられなくてごめんなさい』

『それはいいけど・・大丈夫?体調悪いんじゃないの?』

『いえ、最近ちゃんと眠れてないので疲れてるだけだと思います』

『ねぇ陽菜ちゃん?もう少し待っててくれないかな』

『え?』

『ここ早く片付けるからさ、ね?』

『でも・・まだお客さんいるのに』

『いいの、陽菜ちゃんが心配だからさ』

そう言って看板をcloseに変えてお客さんに声をかける阿賀佐さん

それはカウンターの女性にも同じだった

『ごめんね~急用が出来ちゃってさ』

『えー、しょうがないなぁ・・・じゃあ阿賀佐くんまたね』

『ありがとね~』

帰り際、こちらを睨むようにして帰っていく女の人・・

(綺麗な人・・阿賀佐さんにお似合いだなぁ・・)

そんなことを考えながらさらに落ち込んでしまっていた

(でも、なんでこんなに気になるんだろう私)

(もしかして阿賀佐さんのこと・・好きなのかな?)

カウンターに座りながら阿賀佐さんがお店を片付けしている姿を目で追う

その姿はとても真剣で

いつもの冗談を言う阿賀佐さんしか知らない私は

その姿をいつまでも追い続けていた

(すごくこのお店のこと大事にしているんだな・・)

丁寧にキッチンを磨いたり、食器やグラスを扱う

真面目な顔をした阿賀佐さんを見ていたら

このモンステを大事にしている事が伝わってくる

そんなことを思いながらずっと視線を逸らせないでいると

『陽菜ちゃん、そんなに見つめられるとやりにくいんだけど?』

『え?そ、そそそんなに見つめてましたか?』

『うん、穴が開いちゃうと思ったよー』

『す、すいません・・・』

『いや、いいんだけど。陽菜ちゃんの視線なら大歓迎だけどね』

『ふふっ・・』

『なんで笑うの?』

『いえ、野村さんと似てるから』

『えー!!野村と一緒にしないでよー』

『ふふふっ』

『やっと笑ったね』

『え?』

『ここ来た時からなんか難しい顔してたからさ・・心配してるんだよ、これでも』

(ちゃんと見ててくれてたんだ・・)

『ねぇ陽菜ちゃん』

『はい?』

『さっき・・もしかして』

それっきり黙ってしまう阿賀佐さん

『阿賀佐さん・・?』

『俺にもこんな感情がまだ残ってたなんてな』

『・・・・・・・・・・?』

『いや、送ってくよ』

『大丈夫ですよ、電車で帰れますから』

『俺が送って行きたいんだ』

『えっと、じゃあお願いします』

『了解』

それから阿賀佐さんの車で家まで送ってもらい

別れ際・・・

なんだかさよならしたくなくて

助手席を降りるのが寂しくて

運転席の阿賀佐さんに視線を移せば

『・・・っ』

今までに見たことのない色っぽい表情で私を見つめてくれていて

『・・・・・・・・・』

『・・・・・・・・・』

お互いの感情を探るような瞳で見つめ合うけど・・

これが恋だとはっきり分からない私は

その視線から瞳を逸らし

『わざわざありがとうございました』

そう挨拶をして助手席のドアを開けた

『おやすみ』
 
『おやすみなさい』
 

阿賀佐さんの車を見送りたかったけど

たぶん私が部屋に入るまで待っていてくれるだろうと思い

そのまま部屋に入り電気を点けた
 
それを確認した阿賀佐さんの車が帰っていく音が聞こえた
 

その日の夜

別れ際の阿賀佐さんの顏が忘れられなくて

自分のこの気持ちが恋なのか

考えてみてもなかなか答えがでなくて

私はぎゅっと目をつぶり思考を追い払って

眠りにつくよう努力した・・
 
 
 
 
これが恋って気付くのはあと少し・・
 
 

 

陽菜love

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