それは24日のクリスマスイヴが過ぎた深夜のこと
野村さんと初めて過ごすクリスマスイヴにワクワクとしていたのは夕方まで
もう少しで帰れるかなと思った時に発生した事件を片付けて
気付けば約束をしていた時間もすっかり過ぎていて・・
(仕事だからしょうがないけど・・デートしたかったな)
家に帰る時間がなかった時の為にと持ってきたワンピースとコートを
せっかくだからと着て警視庁を出る
事件の事は耳に入ってるはずだから終わったこと知らせなきゃ
そう思った時携帯が着信を告げる
(あ、野村さん!!)
『もしもし』
『あ、陽菜ちゃん?遅くまでお疲れ様~』
『お疲れ様です、野村さんもう家ですよね?今日は・・』
『陽菜ちゃん可愛いコート着てるね』
『え???なんで???』
『コートの下も見たいなぁ~』
『の、野村さん?もしかして近くにいたりしますか?』
『そうそう、後ろ』
慌てて振り返ると車のステアリングに肘を掛けて
にこにこしながら電話をしている野村さんがいた
もう会えないと思ってたから嬉しくて
野村さんの車に向かって駆け出した
『そんな急がなくても逃げないよ~』
『だって嬉しくて』
野村さんの車に駆け寄れば
ドアを開けて車を降りる野村さんの姿が
(うわーかっこいい)
ただそれだけの仕草が洗練されていて
思わず見惚れてしまう大好きな人
『陽菜ちゃんお疲れ様』
そう言ってふわり、と抱き締めてくれる
『あったかい・・・』
『ケガとかしてないよね?』
『大丈夫ですよ、今日は桐沢さんと一緒でしたから』
『えー!!桐沢と?クリスマスイヴに?俺じゃなくて桐沢?』
『そんなこと言っても仕事ですから』
『俺も現場出ちゃおうかなー、なんか妬いちゃうなぁ・・』
『ふふっ、野村さん子どもみたいですよ?』
『笑ったな?俺、結構本気なんだけどなぁ』
年上なのにどこか可愛い野村さんがおかしくて
くすくすと笑ってしまう
『笑いすぎ』
『ふふっ』
『じゃあ行こうか』
『え?今からですか?』
『そう、だって今日はクリスマスだよ?イヴにデート出来なかったんだから当たり前でしょ?』
『でも・・・もうこんな時間ですし』
『いいから乗って?』
それから数十分
着いた場所は野村さんの家だった
『いいんですか?こんな時間に』
『もちろん』
クリスマスに日付が変わって深夜1時を過ぎた頃
私は野村さんの部屋へとやってきた
部屋に入ると先週までなかったクリスマスツリーが飾ってあって
洗練された部屋には少し不似合の可愛らしいツリー
オーナメントが可愛らしく飾ってあって
私の好きなピンクの電飾がきらきらと光っていて
『うわー!!!すごく可愛いクリスマスツリーですね!!綺麗!!!』
『良かった、陽菜ちゃんの好きな感じに仕上げたつもりだったんだけど』
『すっごく素敵です!!ありがとうございます』
(でも・・・もしかして野村さんがこれを????)
野村さんが一生懸命飾ってくれたのかな?
思わずその姿を想像してしまって笑ってしまう
『ふふっ』
『何笑ってるの?』
『だって・・ふふふっ、ありがとうございます!飾り付け大変だったでしょう?』
『楽しかったけど、こんなことするの初めてだよー・・でも陽菜ちゃんのそんな可愛い顔を見れたから良かった』
『野村さん・・・すごく嬉しいです』
『頑張って飾りつけした俺にご褒美が欲しいな~』
『ご、ご褒美ですか・・・?』
(うっ・・・この表情は嫌な予感しかしない・・・・)
『そっ、ご褒美』
『な、なんですか?』
『クリスマスと言えばサンタクロースでしょ?』
しょ?の後に音符マークでも付きそうな勢いでそう言われ
はいと差し出されたもの
それは・・・
『これは・・・もしかして・・・』
それから30分後
野村さんと格闘してたけど結局着せられてしまった
サンタガールのコスプレ
ベアチューブに下着を隠す役割を果たしてないであろう短すぎるスカート
それにニイハイソックス
結局野村さんの情熱に負けて着てしまったのだけれど・・・
『うぅ・・・恥ずかしすぎます・・・』
『思った通りすごく可愛い』
恥ずかしくてもじもじとしてしまう私とは裏腹に野村さんは
満面の笑みを浮かべてとても嬉しそう
『そんなに恥ずかしがらなくてもいいのに~』
『恥ずかしいですよ・・・もう着替えていいですよね?』
『着替える?どうして?』
『どうしてって・・・』
『頑張ったサンタさんにはご褒美をあげなきゃね~』
『きゃあ』
そっと野村さんに抱っこされた私はベッドに優しく降ろされる
『メリークリスマス』
その言葉とほぼ同時に右手の薬指に感じるひやりとした感触
目線を向ければキラリと光る指輪が嵌められていた
『指輪・・・?』
『左手の薬指は予約させてもらえるかな?今はここで』
そう言って左手の薬指にちゅっとキスをしてくれた
『っ・・・・』
突然の事に驚いたけど
初めて聞いた野村さんのその言葉がすごく嬉しくて
溢れる涙を止めることができない
『泣かせるつもりはなかったんだけどな』
『だ、だって・・・う、嬉しくて・・・そ、それに左手の薬指は予約って』
『本当はそっちに嵌めたかったけど、ちゃんとしたいんだ』
『野村さん・・』
『愛してるから・・・だから予約させて欲しい』
『はい・・・その日までずっと待っています』
『陽菜・・・愛してる』
『んっ・・・私も・・・あっ』
愛してるって言いたかったけど
その言葉は野村さんのキスに呑み込まれてしまう
『んっ・・・んんっ・・・野村さん・・・んっ、私もプレゼントが・・・』
『そのプレゼントも欲しいけど、今は陽菜が欲しい』
『ぁ・・・ふぁ・・・んっ・・・』
サンタガールの衣装はすぐにベッドの下へ落とされ
リビングからツリーの光が私たち二人を仄かに照らす中
聞えてくるのは二人に息遣いと
ぐちゅぐちゅと淫らな音
野村さんの指で敏感な部分を触られ
びくびくと腰が跳ねてしまう
『ああっ、やぁぁん・・・・っ』
指が動くたびに溢れた雫が太腿を伝うのが分かる
『っふぁ、あ、っ・・・あんっ・・・』
『陽菜・・・』
少し掠れた声でそう呼ばれるだけで感じてしまう私は重症かも知れない
『も、だめっ・・・はやくひとつになりたいっ・・・んっ・・』
『あんまり可愛いこと言わないでくれ・・』
それから何度も何度も野村さんに奥まで突き上げられ
『くっ・・・陽菜っ・・・・』
『ああっ、はっんんっ・・・あっ、あっ―――――っ』
何度高みに登りつめか・・・
もう何度目なのか・・・
それさえも分からず私は意識を手放した
結局私からのプレゼントを渡せたのはそれから何時間も後のことだった
MerryXmas
HappyXmas
0コメント