そんなある日の夕方
(はぁ・・・今日も残業かな・・)
そう思った時メールが着信をつげた
(あ、桐沢さん!!)
急いで内容を確認すると
陽菜、お疲れ今日は早く上がれそうだからそっち行っていいか?
桐沢さんらしい簡単なメール
うん、もちろん!!私も早く帰れるようにするね
よし、送信っと~
ついさっきまで疲れ切ってた私の心と身体は見違えるほど元気になって
なんとか仕事を終わらせて、大好きな人が待つ家へと急いだ
(遅くなっちゃったな・・・夕飯は材料はあるから帰ったら急いで作らなきゃ)
そんな事を考えながら部屋の鍵を開ける
『ただいま~』
『陽菜お疲れさん』
『桐沢さん!!』
玄関で迎えてくれた桐沢さんに思わず抱き付く
『うおっ・・・どうした?』
『ううん、桐沢さんあったかい・・・』
『ほら、着替えて来い』
『あ、うん。すぐにご飯の支度するね』
『もう出来てるぞ~、勝手に冷蔵庫の中のもん使わせてもらったぞ』
『え!作ってくれたんですか?』
『美味しいかどうかはアレだけどな』
『桐沢さんが作ってくれたなら美味しいにきまってます!!』
それから二人会えない時間をうめるように色んな話をしながら夕飯を食べた
『ごちそうさまでした!!すっごく美味しかった~』
『そりゃよかった』
『じゃあ私洗い物するから桐沢さんお風呂・・・』
『陽菜』
『え?』
『洗い物は俺がするから風呂入って来い』
『洗い物くらい私がやるよ』
『いいから』
『でも・・・』
桐沢さんの手が私の頬を包む
『最近眠れてんのか?少し痩せただろ』
『え・・・』
なんで?何も言ってないのに・・・ここの所忙しくて家でも仕事をしていたりして睡眠時間もあまりなく、確かに食欲も減っていた・・・
『どうして・・・私、何も言ってないのに』
『お前のことなら分かるっつーか、頑張りすぎなんだよ陽菜は』
『そんなこと・・・』
『ほら、いいから』
『でも・・桐沢さんだって疲れてるでしょ?』
『んなこと気にすんな、俺に甘えろ』
『桐沢さん・・・ありがと』
『おぉ、ゆっくり入ってくんだぞ』
『うん』
これ以上話をしたら涙が零れそうで私は慌ててバスルームへと向かった
深夜・・・
『桐沢さん、今日はありがとう』
『ほら、手だしてみろ』
『手?』
二人眠るベッドで桐沢さんがぎゅっと手を握ってくれた
『あったかい・・・安心する』
『ゆっくり休めよ』
『うん・・・』
『陽菜おやすみ』
そう言って桐沢さんはとても甘くて優しいキスをくれた
その日、桐沢さんは私を抱かなかった
桐沢さんの気持ちが嬉しかった
無理していた身体は重かったけど桐沢さんの温もりに
心も身体も癒されて知らない間に眠りに落ちて・・・
久しぶりにぐっすりと眠れた
なかなか会えないこともあるけれど私のことをこんなにも心配してくれてわかってくれる人がいるそれだけで、私は幸せな気持ちになる
今度は私があなたの力になりたい
あなたが弱っているときは傍に寄り添いたい
ほんの少しの時間をどうして惜しんだのかと思いたくない
忙しさを理由にあなたの変化に気付けなかったことを後悔したくないだから・・・・
私も大切なひとたちをしっかり抱きしめたい
そして、"愛している"ということをいつまでも"大切な存在"だということをあなたに伝えよう
こんな私でも誰かの役に立てるなら・・・きっとあなたにも・・・・
今日で東日本大震災から3年日々、感謝です。2014.3.11 陽菜
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