王子様のプロポーズのドラマCDの
ブックレットのスチルのstoryになってます♪
こちらは公式サイトの中のアプリのレポとなります☆
名前は陽菜で固定です!!
グレン王子
ブックレットのスチルのstoryになってます♪
こちらは公式サイトの中のアプリのレポとなります☆
名前は陽菜で固定です!!
グレン王子
『ふう・・・アランも寝付いたし、やっとふたりっきりになれたな・・・』
グレン王子の部屋に入ると、彼はベッドに座ってそう息をついた。
陽菜
『まあね。でもアランくん、楽しそうにはしゃいでたし・・・そんなふうに言わなくても・・・』
私の言葉に、彼は少し眉を寄せる。
グレン王子
『・・・・は?当たり前だろ?俺がどれだけこの日を楽しみに・・・』
陽菜
(当たり前って・・・何もそんなにムキにならなくても・・・・)
思わずクスッと笑みを漏らすと、彼の顔がかすかに赤らんだ。
グレン王子
『・・・お、おい、笑うなよ、ったく・・・アンタの誕生日なんだ、いろいろしてやりたいと思うのは当然だろ』
陽菜
『・・・いろいろ?』
そう聞き返すと、彼はドキッとしたように視線を泳がせる。
グレン王子
『え?いろいろって?それは・・・・』
陽菜
(それは・・・・・・?)
じっと彼を見つめ返していると・・・・。
いきなりふわりと抱きしめられた。
陽菜
(あ・・・・・)
グレン王子
『こうして抱きしめたかったんだよ・・・ずっと』
彼のささやきが私の耳元をくすぐっていく。
グレン王子
『今日1日、アランに持ってかれっぱなしだったからな』
陽菜
『そんな・・・私は楽しかったよ?』
グレン王子
『・・・ああ、そうだな、楽しそうだった。いつも面倒ばかりかけて、ごめんな』
身体を通して伝わってくる彼の低い声。
陽菜
『ううん、アランくんは私にとっても大切な存在だし・・・それに、あんなに私のことをお祝いしてくれて、すごくうれしかったよ』
彼は抱きしめていた腕をゆるめると、じっと私を見た。
グレン王子
『そっか・・・それならいいんだけど・・・・』
そう言って、おでこにチュッと軽くキスを落とす。
グレン王子
『ありがとな』
彼の優しい腕と包み込むような声に、自然と身体をゆだねた。
しばらくそうしていると・・・・。
ふいに彼が私から手を離す。
グレン王子
『よし。じゃあ始めるか』
陽菜
『え・・・・?何を・・・・?』
私を包み込む温もりが離れ、私は思わず彼の姿を目で追った。
グレン王子
『・・・まあ、それはこれからわかる。陽菜はそこで、座って見てればいいから』
そう言って彼が向かった先は・・・部屋の片隅にあるアップライトピアノ。
陽菜
(ピアノ・・・・・?)
彼はそのフタを開けて鍵盤にかかっていたカバーを外すと、少し照れたような表情でチラリとこちらを見た。
グレン王子
『あんまりジロジロ見るなよ。緊張するから』
彼はそう言ってイスに座ると、スウッと息を吸って・・・・。
ゆっくりとピアノを弾き始めた。
グレン王子
『ハッピーバースデートゥーユー、ハッピーバースデートゥーユー』
陽菜
(す・・・すごい・・・グレンくんがピアノを弾くなんて・・・・)
彼はそのままピアノを弾き続けていく。
グレン王子
『ハッピーバースデー、ディア陽菜・・・・ハッピーバースデートゥーユー』
最後のピアノの音が部屋に広がると同時に、私は自然と手を叩いていた。
陽菜
『すごーい・・・すごいね、グレンくん!』
グレン王子
『おおげさなヤツだな。・・・誰でもこのぐらいは弾けるだろう?』
陽菜
(う・・・そう言われちゃうと・・・私としては立場がないけど・・・)
そのとき、どこからともなく携帯の着信音が聞こえてくる。
グレン王子
『あ、ごめん、俺の携帯だ』
近くにある彼の携帯に気づいた私は、それに手を伸ばした。
彼の身体が近づいてくると・・・・。
グレン王子
『ああ、いいよ、取らなくて。俺が・・・あ!』
陽菜
(わっ・・・・・)
まるで彼は私におおいかぶさるように倒れ込んできた。
グレン王子
『わ、悪い!大丈夫か?・・・・って』
至近距離で見下ろされ、私の鼓動は激しく高鳴っていく。
陽菜
(うわ・・・グレンくんの・・・)
『顔が真っ赤・・・・』
思わずそうつぶやくと、彼の顔はさらに赤くなっていった。
グレン王子
『・・・は?赤くなってなんかねえよ!』
クスクスと笑う私に、彼はきまり悪そうに顔をしかめながら、身体を少し起こす。
グレン王子
『ったく、笑うなって。アンタ、俺のことガキだと思ってからかってんだろ!』
陽菜
『え?そんなこと思ってないよ?』
(どうして急にそんなこと・・・・)
そんな私の様子を見下ろしていた彼は、小さくつぶやいた。
グレン王子
『・・・・え、違う?そ・・・・そっか・・・・』
しばらく彼は私のことを見つめると・・・そのまま唇がゆっくりと私に落ちてくる。
陽菜
(あ・・・・・)
重なる唇から伝わってくる温もりに、私の鼓動はますます激しくなっていった。
やがて、そっと唇が離されると、愛おしそうに私を見つめる瞳と出会う。
グレン王子
『陽菜の顔も、赤くなったな。・・・今日は誕生日だから許すけど、あんまり調子に乗るなよ。俺だって、男なんだから』
陽菜
『グレンくんってば・・・・』
(もう・・・そんなこと思ってないのに・・・・)
彼は身体を起こすと、そっと私に手を差し出した。
グレン王子
『ほら、大丈夫か?』
陽菜
『あ・・・うん』
彼の手を握ると、グイッと強く引っ張り上げられる。
グレン王子
『ケガは・・・ないみたいだな』
陽菜
『それは大丈夫だけど・・・でも、携帯って・・・いいの?』
いつの間にか携帯が鳴りやんでいたことに気づき、そう聞いてみると・・・・。
グレン王子
『そういえば・・・まあ、いいよ、急ぎなら、また電話がくるだろ・・・』
陽菜
『ごめんね、私が余計なことを・・・それに、起こしてくれてありがとう』
グレン王子
『・・・いいよ、謝らなくて。・・・別に礼もいらないって・・・』
陽菜
『え・・・・?』
見ると彼は優しい笑顔で、私を見つめていた。
グレン王子
『だって、アンタの誕生日だろ?・・・ただ今夜だけ、俺のそばにいてくれればいいから・・・』
そう言って彼の唇が私の耳元に寄せられる。
グレン王子
『好きだよ、陽菜のことが世界で一番。・・・誕生日、おめでとう』
ドキンと激しい鼓動が私の全身を貫くと同時に・・・私は再び彼に強く抱きしめられた。
そんな私の脳裏をよぎっていくのは・・・・。
さっき彼が弾いてくれたばかりのメロディ。
決して忘れられない大事な思いでとして、私の耳にしっかりと残されるのだった。
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