桜って儚いですよね。
一番綺麗に咲く瞬間のために
その一瞬のために
だから
儚いからこそ美しい。
この季節にしか見れないなんて
だから絶対大切な人と見に行きたいと思います。
想いが通じ合って初めての季節
仕事の帰りに野村さんと行った夜のお花見
綺麗な桜とそれを見る野村さんの横顔
少し強い風が吹けば、ゆらゆらと綺麗に舞うピンクの桜ふぶき
野村さんの横顔とピンクのネクタイに桜の花びら
思わず見とれてしまう･･･私の大好きな人
野村さんとこんな穏やかな気持ちで桜を見れる日がくるなんて
男性に言うには少し違うかなと思うその言葉も
思わず自分の口から自然に漏れてしまう。
『すごく綺麗･･･』
『綺麗だね、陽菜ちゃん』
『ホントですね･･･桜も野村さんも･･･』
『えっ？綺麗なのは陽菜ちゃんだよ？』
『えぇ？な、何言ってるんですか？』
『その言葉そのまま陽菜ちゃんに返すけどな･･俺が綺麗って？
こんなおっさんつかまえて言う？』
『野村さんはおっさんじゃないですよっ！！
それにさっき桜を見てる時の優しい瞳をした野村さん･･･本当に綺麗でした』
『陽菜ちゃん･･･』
一瞬
真面目な顔した野村さんだったけど･･･次の瞬間はいつもの野村さんに戻ってた
『またまたー。そんな褒めても何も出ないよ？』
『ふふっ。野村さんって照れてます？』
『･･･陽菜ちゃん、笑ったな？』
そう言ってはにかんだ笑顔の野村さんは、私にしか絶対見せない顔で
そんな顔を見せてくれるようになった野村さんが愛おしくて
私は少し背伸びをして大好きな人に初めて自分からキスをした
『陽菜･･･』
私の行動に少し驚いた大好きな人は
『悪い子だ･･･』
そう呟いて
その表情があまりにも色っぽくて
そっと重ねられた唇から伝わってくる温もりに
あなたの愛を感じて私は幸せな気持ちで目を閉じた
大好きです 野村さん
あなたと来年も満開の桜の木の下で会えますように
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